早稲田大学創造理工学部社会環境工学科/大学院創造理工学研究科建設工学専攻

海岸工学・マネジメント 柴山研究室

2012年ハリケーンサンディ高潮

災害概要

2012年10月に発生したハリケーンサンディ (Sandy) は,10月29日夜(現地時間)にアメリカ東海岸ニュージャージー州に上陸しました.サンディの接近に伴い,10月29日から30日にかけて,ニューヨーク州やニュージャージー州の沿岸部において高潮災害が発生しました.

現地調査


研究室では,11月9日から12日までニューヨークにおいて高潮砂被害に関する現地調査を実施しました.現地調査の結果,以下のことが判明しました.

  • 調査はマンハッタン地区とスタテン島で行い,浸水高は,マンハッタン地区で2.5~3m,スタテン島で4m前後でありました.
  • マンハッタン地区南部では,海岸線から道路に沿って200~300mほど浸水しましたが,建物への損傷はあまり見られなかったので,流入した海水は漂流物が少なく,大きな運動量をもった流れではなかったと考えられます.
  • マンハッタン地区南部には地下鉄の駅が多くあり,それらのうち3つ(South Ferry,Whitehall St,Rector St)は地下空間への浸水により大きな被害を受けたと考えられます.Wall Street東端に位置するビルでも地下への浸水が見られました.

調査結果(速報)の詳細については,以下のファイルを参照ください.


関連文献

  • 三上貴仁・柴山知也・Miguel Esteban(2013):2012年ハリケーンサンディによる高潮災害のニューヨークにおける現地調査に基づく臨海都市域の浸水災害と減災策に関する考察,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol.69,No.2,I_982-I_987.[doi:10.2208/jscejoe.69.I_982]